2026年4月商品先物戦略:金(ゴールド)最高値更新と原油高騰が示す「有事の資産防衛」
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2026年4月商品先物戦略:金(ゴールド)最高値更新と原油高騰が示す「有事の資産防衛」
2026年4月2日。新年度が幕を開けましたが、商品先物市場はかつてないほどの熱気に包まれています。
先月(3月)は、地政学リスクの激化とインフレ再燃の懸念から、金(ゴールド)が1オンス2,400ドルを突破して史上最高値を更新し、原油価格も主要産油国の供給懸念から「100ドル時代」の再来を予感させる動きを見せました。個人投資家にとって、これら「コモディティ(商品)」は単なる投機対象ではなく、インフレと有事から資産を守るための「最強の盾」としての役割が鮮明になっています。
本記事では、3月の激動を精緻に振り返り、4月から始まる新年度のポートフォリオにこれら実物資産をどう組み込むべきか、具体的な戦略を提案します。
1. 金(ゴールド):1オンス2,400ドルの壁を突破した「有事の真価」
3月の金相場は、歴史に刻まれる1ヶ月となりました。ドル建て価格が2,400ドルを超えただけでなく、国内の円建て価格も1グラム15,000円に迫る勢いを見せました。
歴史的高値の背景:中東情勢と「脱ドル」の加速
3月中旬、中東での紛争がイランを巻き込む形で泥沼化の兆しを見せたことで、投資資金が一気にゴールドへと流れ込みました。さらに、トランプ政権の貿易政策による「米ドルへの不信感」が強まる中、中国やインドといった新興国の中央銀行が外貨準備としての金保有を急拡大させていることが、価格の強力な下支え(フロア)となっています。
「流動性の罠」への警戒
一方で、3月末に株式市場が一時的に急落した際、金価格も連動して下がる場面がありました。これは、トウシル(楽天証券)の吉田哲氏が指摘するように、株の損失を埋めるための証拠金確保(現金化)を目的とした売りです。
「有事の金」といえども、市場全体がパニックになれば流動性確保のために売られる局面がある。これを「金の価値の下落」と勘違いして狼狽売りをしないことが肝要だ。
今後の視点:金利ある世界での金投資
日銀が政策金利を引き上げ、「金利のある世界」に突入した日本ですが、依然として実質金利(名目金利 – インフレ率)はマイナス圏にあります。$$実質金利 = 名目金利 – 期待インフレ率$$
この式においてインフレ率が高いままであれば、利息を生まない「金」の相対的な魅力は損なわれません。
出典・エビデンス:
2. 原油:地政学リスクと「悪い円安」の連鎖
エネルギー価格の指標であるWTI原油先物は、3月を通じて上昇基調を維持しました。これは日本のガソリン価格や電気代に直結し、家計を圧迫する「悪い物価上昇」の主因となっています。
供給懸念の深刻化
中東のホルムズ海峡における緊張が、日本の原油輸入の生命線を脅かしています。西勇太郎氏のレポートによれば、日韓の原油タンカーの運行状況が3月に入り大幅に制限されており、供給不安が価格を押し上げる構造が続いています。
円安と原油高のダブルパンチ
2026年4月現在、ドル円相場は150円台後半で高止まりしています。$$円建て原油価格 = ドル建て原油価格 \times ドル円レート$$
この式が示す通り、原油自体の価格上昇に円安が加わることで、日本国内のエネルギーコストはかつてない高水準に達しています。これはINPEX(1605)やENEOS(5020)といったエネルギー関連株にはプラスに働きますが、消費を基盤とする内需企業にとっては強烈な逆風となります。
出典・エビデンス:
3. 4月の準備:コモディティをポートフォリオにどう組み込むか
新年度を迎え、多くの投資家が新NISAの枠を活用しようと考えています。コモディティ投資においても、NISA制度は有効な武器となります。
新NISA「成長投資枠」での金・原油ETF活用
直接先物取引を行うのはハードルが高いですが、証券口座で買える「ETF(上場投資信託)」であれば、1口数千円から投資可能です。
- 金ETF(例:1321): 成長投資枠で購入すれば、売却益が非課税になります。
- 原油ETF(例:1699): 短期的な地政学リスクのヘッジとして活用できます。
アセットアロケーションの見直し
不動産投資家K氏や資産形成ハンドブックの著者らが提唱するように、理想的なポートフォリオには「実物資産」を5〜10%組み入れることが推奨されています。
- コア資産: つみたて投資枠(全世界株式等) 70%
- サテライト資産: 高配当株・リート 20%
- 保険資産: ゴールド・原油ETF 10%
この「10%の保険」があることで、3月に見られたような株式市場の急落時にも、ポートフォリオ全体のダメージを軽減することが可能になります。
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4. 今後の展望:インフレ時代を生き抜く「実物資産」の知恵
2026年度、日本は物価上昇率が賃金上昇率を上回る「スタグフレーション」的な懸念を抱えたままスタートしました。こうした中、商品先物市場への理解は、単なる利益追求以上に「生活を守る知恵」となります。
- 中央銀行の動きに注目: 2026年はさらなる中央銀行の金買いが予想されており、価格の暴落リスクは限定的と見られています。
- 脱炭素と原油: 中長期的な脱炭素の流れはありますが、短期的な供給不足は解消されていません。「金利のある世界」でのエネルギー関連株の配当妙味も高まっています。
出典・エビデンス:
まとめ:新年度のスタートは「守り」から
3月の激しい相場変動は、私たちに「株式だけに依存するリスク」を改めて教えてくれました。ゴールドが史上最高値を更新し、原油が高止まりする現状は、世界経済の不安定さを映し出す鏡です。
- ゴールド: ポートフォリオの5〜10%を目安に。新NISA成長投資枠でのETF活用が効率的。
- 原油: 地政学リスクへの感応度が高い。エネルギー関連株を通じて間接的に保有するのも一手。
- 継続: 短期的な乱高下に惑わされず、ドルコスト平均法(純金積立等)で淡々と積み上げる。
4月は新しい生活が始まり、家計が大きく変わる時期でもあります。まずは自身の「リスク許容度」を再確認し、インフレに負けない「強いポートフォリオ」を構築していきましょう。
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免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。商品先物取引やETF投資には価格変動リスクがあります。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任において行ってください。


