「なぜ今、世界中の中央銀行が金(ゴールド)を買い集めているのか?」
「金への投資は、今後の資産運用においてどう影響するのか?」
2026年6月16日に発表されたワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調査により、世界の中央銀行が金保有を拡大させる意欲が過去最高に達していることが明らかになりました。
この記事では、投資家が注目すべきこのニュースの背景と、金市場の現状についてわかりやすく解説します。今後の資産配分や投資戦略を考える際の参考にしてください。
中央銀行が金を増やす動きが過去最高に
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の最新調査によると、今後12カ月以内に金の保有量を増やす計画だと回答した中央銀行の割合が、過去最高の45%に達しました。
調査から見えてくる「金」への信頼感
この調査は、2026年の2月から5月にかけて74の中央銀行を対象に行われました。前年比でも2%ポイント上昇しており、中央銀行がいかに金を「守りの資産」として重視しているかがわかります。
また、調査対象の93%が既に金を保有していると回答しています。これは前年の81%から大きく伸びており、金が単なる貴金属ではなく、国の資産として不可欠な存在になっていることを物語っています。
なぜ中央銀行は「金」を買い続けるのか?
中央銀行が金を保有し続ける主な理由は、「安定性」にあります。
不安定な世界情勢と「守りの資産」
今年2月下旬の中東紛争勃発など、地政学的なリスクが高まる中で、中央銀行は「いざという時に信頼できる資産」として金を選んでいます。市場の混乱や紛争といった先行き不透明な状況下でも、金は価値がゼロにならない実物資産として、通貨の裏付けや外貨準備の安定化に大きく貢献します。
価格変動に左右されない姿勢
最近では原油価格の急騰や金相場の変動がありましたが、調査を担当したWGCの責任者、シャオカイ・ファン氏は「価格の変動で中央銀行の姿勢が変わることはない」と語っています。短期的な損得ではなく、長期的な視点で資産を守るために金を保有し続けるという強い意志が感じられます。
今後の金相場はどうなる?
中央銀行の買い支えがある一方で、市場全体にはどのような影響があるのでしょうか。
市場を下支えする買い需要
調査会社メタルズ・フォーカスの予測では、2026年の中央銀行による金需要は前年比で減少する見通しですが、それでも過去の平均水準(2022年以前)を上回るとされています。
つまり、投資家にとって「中央銀行という巨大な買い手が市場をしっかり支えている」という安心感は、これからも続きそうです。最近では、米・イラン関係の合意などを受けて金価格が3%上昇するなど、ニュースに敏感に反応する側面もあります。
まとめ
今回のニュースのポイントを3つにまとめました。
1. 中央銀行の意欲が過去最高: 45%の中央銀行が今後1年で金の保有量を増やす計画であり、資産としての信頼は非常に高い。
2. 地政学リスクへの備え: 世界情勢が不安定なほど、金のような実物資産の価値が見直される傾向にある。
3. 市場の安定性: 中央銀行の買い支えが続くことで、金市場は長期的に堅調な推移を維持する可能性が高い。
投資において、金は「価格が大きく上がる」ことを期待するよりも、「資産全体の安定感を高める」ための役割が強い資産です。世界の中央銀行と同じように、長期的な資産運用のポートフォリオの一つとして、金を検討してみる価値はあるかもしれません。
公式情報・出典:
ロイター|金保有を増やす中銀の比率、45%と過去最高=WGC調査